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一般財源化で自由が増すのか

1.第12回の義務教育特別部会の議事録(抜粋)

【石井委員】 (冒頭略) 義務教育の国庫負担金を一般財源化をしたらどのような効果があるのかとのご指摘はよく頂戴をするところでありますけれども、まず、教育の自由度の拡大等ということでまとめております。それはすなわち、先ほどの学級編成とか教職員配置に関する国の基準、国が基準をお示しをされまして、これを満たした上で地方公共団体が当事者意識を持って、地域の教育環境、あるいは、児童生徒の実情に応じました学校配置、弾力的な学級編成、教職員配置、こういったものが可能になるということであります。
 (中略)
【小川委員】 (冒頭略) 今日石井委員の方から出された分厚い、負担金制度に関する考え方の内容について、私から見ると正直言って、事実誤認等々含めて、いろいろ問題がある内容があると思いますので、このことを前提にして議論をするということについては、非常に不安を感じます。できましたら、そうした事実誤認を含めて訂正や意見を含めたペーパーを、準備できればしたいと思いますので、出させていただければなと思います。
 (中略)
【藤田委員】 (冒頭略) それから、2点目の、一般財源化することで自由度が増え、教育がよくなるという点につきまして、例えばこれも小川委員が言及されましたが、外部人材外部委託等々、それはもちろん適切なものもありますが、こういったことをすべて現にできることでありますし、行われております。そして、これが極端に進むとするならば、本当に教育にとってよくなるかどうかということは、全く保証の限りではない。これはさまざまな議論があり、反論もあるところでありますから、そういったこと、既にできることであるにも関わらず、そして、それを根拠にして自由度が増えて、教育がよくなるという理由がよくわからないという点であります。

2.第16・17回の義務教育特別部会の議事録(抜粋)

【井上委員】 (冒頭略) 地方団体の改革案の基本的な考え方として全額一般財源化により、地方が自主性、自立的な教育を実施することを提案していて、この中では25ページと26ページに「教育の自由度を高める」とか「教育改革の推進を行う」というような主張がございますが、これらについては、市町村の教育委員会の関係者からも、既に各市町村教育委員会で十分こういう例についてはやっている、またできることであるということは明らかなわけです。そこで、一般財源化が教育上にもたらす効果は具体的にどういうことであるかということを示す必要があるのではないか。一般財源化の教育上の効果というものがはっきりしないので具体的にどういうことかをご説明いただきたいと思います。
 また、その他、財政上の措置から、少人数指導とかティーム・ティーチングとか、あるいはいろいろきめ細かい指導も、負担金が総額裁量制になっていることから、適切な運用によってそういうものが現在行われていると思うわけで、そういう点では、現在ではかなり自由度が高まっているわけですから、一般財源化の効果とは言えないと思いますので、あわせて説明をしていただきたい。
 (中略)
【石井委員】 (冒頭略) それから最後に、梶田委員と共通ですが、我々の地方側が出しております資料について、最後のほうで、より具体的に地方の教育の分権化についての効果云々というお話をいただいたところでございます。それは、そこに書いているとおり私たちは理解をしているわけでありますし、運用できると思っておりますけれども、とにかく、地方に、より現場に近いところに任せてもらうということで、例えば先生とか子ども、生徒、あるいはPTAとか地域住民、お互いに話し合って、創意工夫を凝らしていくことができる、国からのいろんな指示とか命令に関係なくそういうふうにやっていく方が、より効率的な教育改革ができるんではないかということが、まず総論として言えようかと思います。
 そして、具体的に申し上げれば、それぞれ地域によって、例えば算数に力を入れてやっていきたいというところもおありになりますでしょうし、社会とか地域の郷土の歴史に力を入れていきたい、さらには外国語により力を入れて、工夫を凝らしながらやっていきたい、いろんな教育に力を入れてやっていきたいところがあると思うんです。職業教育に力を入れて、現場の体験をしておられる専門の社会人をどんどん招いてやっていこうではないか、こういったような、とにかくそれぞれの地域で多様な個性ある教育というものを積極的に進めていきたい。それにも関わらず、現在の総額裁量制のもとでやりますと、先ほど申し上げましたような加配云々ということで、文部科学省が基本的に根っこを押えているものですから、今でもできるじゃないかというご質問が逆にありましたけれども、それはそうではないんです。やはり文部科学省の統一的な基準がありますので、一々お伺いを立てないかんわけです。今私が申し上げたようなことを実際に実行しようとするときに、文部科学省本省にお尋ねをして、これでよろしいでしょうか、総額裁量制の中で運用できるんでしょうかということを聞きながら一々やっているんです。これが教育現場の問題意識だと私は承知をしておりまして、したがって、いろんな地方の創意工夫ある、特徴のある教育をどんどんやることができるようになってくると考えております。
 例えば、全国一律でゆとり教育をやってきた、このことについて今大きな議論があります。当部会でも議論しておりますけれども、こういった全国一律ではなくて、ゆとり教育でも、我々に全部任せてもらって、非常勤の教師としてどういう人を招いてどのような教育をしたらいいか、そういうことも全部地方にゆだねていただく、国のチェックをなくしていく、こういったところから、多様なすばらしい人材教育というものが地方に展開することが可能になってくるんじゃないかと私は考えているものでございまして、私どもの、教育に地方分権を、この風をぜひ送っていただきたいと改めてお願いいたしたいと思います。
 (中略)
【若月委員】 (冒頭略) まず初めに意見でありますけれども、今日、小川先生からご提出いただきました参考資料の2の25ページで、知事さんあるいは市長さん方が主張されております一般財源によって教育の自由度がどういうふうに拡大するかというところを先ほど拝見しました。大変申し訳ありませんが、この主張に対しましては、私は全くこのリアリティーをもって受けとめられませんし、具体的に何をおっしゃっているのかもわからない。それから、先ほど、いみじくも、また石井知事さんは、こういう教育というのは、より現場に近いところがやはり直接携わるべきだというようなお話もございました。もしそうであるならば、これは石井知事さんもそうですし増田委員さんもそうでありますけれども、一体地方の、例えば私の立場でいきますと、区市教育委員会が今一番不自由しているものは何だとご認識されているでしょうか。はっきり申し上げまして、こういったご提案をいただいたものもかなりの工夫で今は改善をされています。決して完全とは言えませんが、相当自由度は拡大しています。特色ある教育活動も随分されています。しかし、本当に区市教育委員会が不自由に思っていることは、何だとご認識されているのでしょうか。
 私の立場から申し上げますと、それは前にも申し上げましたけれども、とりもなおさず人事権の問題であります。この人事権の移譲につきましては、既に知事会の方でも、あるいは市長会の方でも、その移譲をしていこうという大まかな方向性は一致しているというふうに伺っております。であるならば、この人事権といったようなものの移譲と、それから財源といったようなものをセットにして物を考えていかない限り、例えば、私のような一番最先端にいる教育委員会の人間としてみると、非常にまだまだ雲の上でお金の操作をしているだけの印象を免れないわけであります。人事権の確立ということは、私は財政負担が必ず伴ってくるものだと思います。(以下略)

3.第38回の義務教育特別部会の議事概要(抜粋)

「○ 教育の質の向上については、一般財源化しただけでは意識改革は起こらない。これは負担金制度そのものが縛っている問題でない。 ○ 地方の自由度の拡大については、市町村・学校は負担金制度によって拘束を感じているわけではない。」
 (中略)
「○ 苅谷委員のペーパーについて全部反論できるが、持ち時間内では無理。」

4.第41回の義務教育特別部会の議事概要(抜粋)

「○ 先ほどの委員の長々とした朗読が、実は今回の中教審のこの議論を象徴していると思う。私たちは真剣に議論してきた。だけども、全然かみ合っていない。委員は、地方六団体の3人の委員以外が、三位一体改革に対する理解がないと指摘されるが、理解していないのは委員の方。(中略) 負担金をなくすこと、負担金をやめることが、地方に任すこととは関係ないというのは、制度的な検証を苅谷先生がなされ、委員一同納得されたはず。非常に明快な分析で、得心した。国と地方との義務教育の枠組み、制度的な制約というのは、それは負担金制度ではなくて、他の法令にあることを、クリアに例証されたはず。これも全然、理解されていない。」


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